竹矢 箆替え修理 その一

弓具屋にとって春~夏は繁忙期です。

高校新入生さんや弓道教室後の社会人様向け出張販売・採寸等が終わるのが夏の終わり頃になります。

今年は宇都宮国体に出店した関係もあり、この時期になってようやく平常モードに落ち着きました。

今回の記事は、先日お客様からお預かりした竹矢の修理についてです。

弊社で製造したものではないのですが、箆替え修理を預かりました。

袖摺節の少し上で割れています。

見本でお預かりしたもう1本の矢も参考にしながら、合いそうな竹を選定します。

今回はこの中から選び出します。節の間隔ごと、重さごとに分けてあります。

この番手のものが合いそうです。太さをノギスで測って合いそうなものを選びます。

竹矢を作る際、見本より少し太め・重めのものを選びます。

製造の工程の中で表面を削っていったり火入れをするためどうしても最初の状態より細く軽くなっていきます。それを逆算しているのです。

今回は3本出してきました。削っていくうちに隠れていた傷が露見したり、予想より太く軽くなってしまったり(逆に細く重くなってしまったり)します。そのためあらかじめ複数選んでおきます。

第3候補までありますが、まずは第一候補から作業スタートです。

次回へ続く…

 

荒矯め

このブログをいつも御覧いただいている方にはお馴染み「荒矯め」です。

採取して乾燥させた竹を強火で矯める工程ですが、なぜ何度も何度も同じ作業を繰り返しているのか…と疑問に思うかもしれません。

一つには、ただ単純に荒矯めすべき竹の本数が多いということもあります。

しかし、実は竹は節の間隔ごとに仕分けされていて、番手ごとに荒矯めしているのです。

上の画像の赤く囲った部分が射付節、青く囲った部分が袖摺節になります。

荒矯め前の竹はかなり歪曲しているのが、パッと見でお分かりになると思います。太さもよく見るとバラバラです。

手製の仕分け棒で赤と青の節の間隔を一本一本測り、番手ごとに分類しているのです。

今回の荒矯めは6番の重めの竹でした。

節間隔だけでなく重量でもざっくりと分けてあります。

重量も重要です。重めの竹からはやはり重い完成矢しかできませんし、元々軽めの竹からは軽めの完成矢しかできません。

多少の融通は利きます。例えば重たい竹をたくさん削ると軽くすることはできますが、やはり箆張りが弱くなりますのであまり削りすぎないことが大切です。

ご注文いただく竹矢は90cm~100cmくらい・22g~32gくらいのものが多いですが、中には80cm台前半~半ば、105cmオーバー・20g程度や37g以上のものもあります。それらに対応できるよう、様々な竹を採取しているのです。

弊社では通常より軽くて短い矢・重くて長い矢等のご注文も承ります。

足し箆

他店で購入した竹矢の足し箆依頼です。

6ツ矢を購入され、1本破損してしまい一度他店で修理してもらったようですが、太さや箆張り等が足し箆をした1本だけ異なるため飛びが違うとのことで弊社に依頼が来ました。

竹矢は天然素材を使用していますから、6本あれば太さや箆張りが多少はバラついてしまうものですが、直径が1mm近く違うとさすがに素人さんでも目視で分かってしまうものです。

今回はそのようなお困りの内容のため残った5本になるべく近くなるよう細心の注意を払って制作しました。

写真一番下の矢が新しくお作りしたものです。

↓重心の位置

節を合わせるのはもちろんのこと、直径・箆張り・重さ・重心位置を合わせるのは容易ではありません。